診断

「幽霊」 

 

その頃の僕の職場でのあだ名です。

決していじめられていて悪意があったということではありません。

幸い職場の同僚には恵まれていて、

心配の声として「幽霊みたいになってるぞ、ホントに大丈夫か」と。

 

なんとか平静を保ち、仕事の品質を維持していた僕に最後の刺客が現れます。

「無責任」「業界知識ゼロ」でも「何か口出ししたい」新任上司です。

もうぶつかるぶつかる。すべてに説明・解説を求められ、仕事が進まない。

なんだこれ

 

・半端じゃない歯ぎしりを家族に指摘されます。

 ・毎朝起きるときに大声やうめき声を出すようになりました。

・同じことを何度も聞かないと理解できなくなりました。

・同じことを何度も繰り返すようになりました。

・人にうまく話をすることができなくなりました。 

・見える景色はモノクロです。

・頭がまったく働きません。

 

ある日会社から妻に電話を掛けました

私   「ごめん、俺もう無理や もう辞めるわ」

妻 「うん、ええよ。もう見てて辛い 体のほうが大事や 何ならウチが食わしたる」

 

泣きました。はじめて。

 

・・でそのまま辞められたら楽だったんですが

その頃すでに私の状態があまりにも悪いということが問題視されていて

「お前 病院行ってこい」と会社命令がくだります。

 

「えーもう辞めさせてよー」と思いつつその足で心療内科へ行きました。

何をお話したかまったく覚えていませんが、驚いたのはそこで「適応障害」という診断がおりたことです。ショックでした。薬の処方はなんとか拒否しましたが怖くてたまらなかったことを覚えています。

「なんだ適応障害って?治るのか?」「できるだけすぐに会社を休んで休養することって言われても・・どうすんだ?」

 

そのまま会社へ報告します。すると次は社内の医師の診断です。

すると驚いたことにその医師は

「典型的な適応障害です。明日からでも自宅療養するように」と言うのです。

 

やっぱりそうなんだ・・・さすがにすぐに休めないので、引継ぎ期間をもらって急ぎ周囲・顧客へ説明してまわり、なんとかプロジェクトや細かい業務を引継いで、有無を言わさず"休職"へと突入するのでした。

 

病院に行ってから休職するまでが早すぎて理解がついていけていませんでしたが、そもそも辞めるつもりだったので休職は素直に受け入れられました。

でもなんでこーなったんだ。。?

 

ただ、後から振り返ると気にかけていただいた同僚の皆さんや先生方の強い提案によって休職という選択ができてとても救われました。

あそこで辞めていなかったから休職後にトライできる道が残っていました。

 

①病院にいく

②医師の判断に沿って休む判断をする

③引継ぎをしてから休む

 

今思えばこの一連のギリギリ最低限のビジネスマナーを守った行動が

実は復帰をするときの心理的ハードルを下げてくれたなとも思います。

そしてもう1つ ④会社には休職の制度がある

 

同じような環境の人もいるかもしれません。そんな人に伝えたい。

せっかくのサラリーマンです、いいですよ、会社の制度は大いに利用しましょう。

 

と、こうして私の休職生活がはじまるのでした。